こんにちは、板橋まごころ相続支援センターの渡部です。
今日は、40年ぶりに改正された民法の相続法制度のひとつである「配偶者居住権」についてお話します。
この制度は、簡単に言うと、残された配偶者が相続財産を受けるにあたり、これまで暮らしていた自宅を手放すことなく、これからの生活を送るための生活費も確保した相続ができるようにする制度です。
例えば、一人息子が独立し、夫婦2人で暮らしていた家があるとします。夫の財産は、自宅と現金のみ。夫が亡くなった場合、相続人たる妻と息子で法定相続分どおり各々2分の1の財産を相続したとします。自宅と現金が同程度の額だとすると、自宅を相続した妻は、現金を相続することができませんので、これからの生活に不安を抱えることになります。その逆も然りで、現金を相続しても、住み慣れた自宅を手放すことになりかねません。
すなわち、相続のために、残された配偶者が住み慣れた自宅を手放さなければならない状況を避けるための制度が「配偶者居住権」です。
相続財産となる自宅の権利を「所有権」と「居住権」に分け、配偶者がこの居住権を相続することにより、無償で自宅に住むことができるうえ、これからの生活費たる現金をも確保できる仕組みになっています。制度自体は、令和2年4月1日から適用されます。
今回は制度概要のみとし、具体的な活用方法は次回にご説明します。ご期待ください。
