相続事例
遺産分割が未確定な場合の相続税申告(その1)

遺産分割が未確定であれば相続税の特例は受けられない

 冬の寒さは気持ちを引き締めてくれて、仕事の山に立ち向かう気力を与えてくれる、と思うまごころ税理士
であった。そこに昨年父が病魔に冒されあまり長くないとドクターに宣告を受けていた板橋さんから電話があ
り、父が亡くなったので相談に来たいとの依頼があった。板橋家の兄弟は仲が悪かったのを思い出したまご
ころ税理士は、以前から提案していた遺言書の作成が間に合ったかどうかを危惧した。

遺言書がない場合は遺産分割が必要

       事務所にやってきた板橋さんは余程悩んでいたのか、せきを切ったように話し出した。
板橋さん   「ドクターが予告した通り、父は昨年夏に亡くなりました。最後まで意識も明確で穏やかに亡くな
        ったことが救いでした。ただ、父の入院中に弟や妹はほとんど見舞いに来ることがなく、父が寂し
        がっていたのが残念だと母が申しております」

まごころ   「板橋さんご夫妻は本当にお父様に尽くされていましたので、お父様も喜んで旅立たれたことと思
税理士   います。 どうぞお気を落とされぬようにしてくださいね。 ところで、お父様のご意思は最後まで明
       確だったとのことですが、以前からお話ししていた遺言書は残されていたのでしょうね?」

板橋さん   「せっかく、まごころ税理士からご提案をいただいたのに、病気になった父にそんなことは言い出
       せず、残念なことに遺言書はありません。母と私たち夫婦は同居しており仲が良いのですが、まご
       ころ税理士もご存じのように、すでに家を出ている弟や妹と私たちはあまり上手くいっていません。
       遺言書がない場合は相続人全員一致による遺産分割協議が必要だそうですが、兄弟たちの遺産
       分割はそう簡単に終わると母と私は思っていません。遺産分割が確定するまでの間はどのようにな
       るのでしょうか?」

遺産分割が未確定でも相続税の申告と納税が必要

まごころ   「相続が起こっても遺言書がなければ、遺産分割協議によって取得者が決まるまで、原則として、
税理士   遺産は相続人全員による法定相続分の割合による共有状態となります。その後、相続人間で話合
       いがまとまれば、法定相続分とは異なる遺産分割をすることができますが、相続人全員の合意が必
       要です」

板橋さん   「この遺産分割協議はいつまでに確定しなければならないのですか?」

まごころ   「遺産分割請求権には時効が定められておらず、いつでも何年後でも遺産分割をすることができま
税理士  す。1人の賛同が得られないため、十数年にわたって遺産分割協議を続けているという、とんでもない
       ケースもあります」

板橋さん   「そうなのですか。私たちの場合も半年や1年で終わらないかもしれないなぁ~。でも、相続税の申
       告は遺産分割が確定してからでいいのですね」

まごころ   「確かに遺産分割協議が確定すまでは、原則として遺産の最終取得者が確定せず、相続税の計算
税理士  ができないことになります。しかし、遺産分割が終わらず何年たっても相続税が徴収できない状態を回
       避するため、相続税法では相続税の申告期限までに全部または一部の遺産分割が未確定であって
       も、その分割されていない財産は、共同相続人が法定相続分によって取得したものとして、その課税
       価格を計算し、申告すべきものとされています。したがって、遺産分割が確定していない状態であって
       も、相続発生の日から10か月以内に相続税を支払わなければなりません」

板橋さん   「そうなんですね。遺産分割が終わっていないと銀行預金も引き出せないと聞いています。どうやっ
       て相続税を納税するかが心配です。ただし、申告期限までに遺産分割が確定した場合と比べて、支払
       わないといけない相続税額の総額が増えることはありませんよね」

まごころ   「いえいえ、申告期限までに遺産分割が確定していないと配偶者の税額軽減や小規模宅地の減税措
税理士   置など相続税の特例の適用を受けることができませんので、予想以上の高額の相続税がかかる可能
        性があるのでご注意ください。なお、相続人全員の実印をもらうことができれば、預金の引き出しはで
        きますので、その点はご安心ください」

相続税申告までのタイムスケジュール

板橋さん   「遺産分割が調わなかった場合、とても困ったことになることが分かりました。では、次に、10か月先
       の申告期限までの間に何をすべきか教えていただけますでしょうか?」

まごころ   「そうですね。相続税の申告書の提出期限は10か月以内となっていますので、しっかりとタイムスケジ
税理士  ュールを組んで、きちんと手続きを進めていかないと、後々問題が起きることになります。タイムスケジュ
       ール表をお渡ししておきますのでご確認ください」

板橋さん   「いやー、いろんなことをする必要がありますね。遺産分割の話合いもしないといけないし、本当に大
       変だなぁ~」

まごころ   「そうなのです。特に相続税については10か月以内に財産評価をし、遺産分割を協議し、期限内には
税理士  できると思いますが、遺産分割はちょっと難しいかもしれませんね。でも、配偶者の税額軽減、小規模宅
      地等の特例については、原則として申告期限内に遺産分割が完了していなければ適用を受けることがで
      きないことや、相続税の納税の問題も含めて弟さんや妹さんにきちんと説明し、10か月以内に遺産分割
      が完了するよう精一杯お手伝いをさせて頂きたいと思っています」

        丁寧に説明してくれた上、兄弟との遺産分割も税務面からお手伝いしてくれると申し出てくれたまごこ
      ろ税理士に感謝し、早めに相談して良かったと少し心が軽くなった板橋さんは、早速、母と相談し、次回2
      人で来所したい旨を告げて足取りも軽やかに帰っていったのだった。
 

 

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