相続事例
遺産分割が未確定な場合の相続申告(その2)

配偶者の税額軽減と小規模宅なる地等の特例の適用はどうなる?

   冬の寒さも緩み、仕事の山に立ち向かおうと思うまごころ税理士であった。その時、インターホンが鳴り、
  相続税申告の依頼者である板橋家の長男である昌史さんがお母様と一緒に事務所に到着された。遺産
  分割がなかなかまとまりそうもないと嘆いていた板橋さん親子に、相続税の特例について説明し、解決策
  を考えなければと、まごころ税理士は気を引き締めた。

 

申告期限内に遺産分割を終えないと特例が受けられない

 

   まごころ   「本日は、お越しくださり、ありがとうございます。先日のお電話によると、四十九日の席で
   税理士   昌美さん(昌史さんの妹)が乱暴な遺産分けの話を持ち出されたとか。ご主人を亡くされた
           ばかりのお母様にはつらい出来事でしたね。ご案じ申し上げていました。」

 

   お母様    「お気遣い、ありがとうございます。私もつらいものがありましたが、夫の面倒をよく見てくれ
           た嫁の亜紀に、昌美は、あなたは関係ないのだから欲を出さないでね」などと失礼なことを言
           って・・・。亜紀にはとても申し訳なく思っています。」

 

   昌 史    「母さん。そんなに気にすることはないよ。亜紀も母さんの気持ちはよく分かってくれていて、
          かえって母さんに同情しているくらいだから。先生、あの二人は父さんを最後まで看病した私
          たち夫婦のことなどお構いなく、お金は全部自分たちに、などと言って帰ったんです。私もモヤ
          モヤした気持ちでなかなか遺産分割の話を考える気持ちになれないのです。」


 

   まごころ   「お気持ちはよくわかります。しかし、相続税のことを考えると、1日も早く話し合いに入り、
   税理士   告期限である10か月以内に遺産分割を終えないと、様々な特例が適用できず、多額の納
           税
資金を用意しなければならなくなってしまいます。」 

 

   昌 史    「以前お伺いしたときにも、そのようなお話を聞いたような気がするのですが、もう一度詳しく
          ご説明いただけますでしょうか?」

 

配偶者の税額軽減の特例の適用を検討する

 

   まごころ   「まず、お母様の最大の減税策をご説明いたします。原則として配偶者の税額軽減の特例
   税理士   の適用を受けることで、1億6,000万円または法定相続分である2分の1までの遺産相続な
           らば、お母様には相続税がかかりません。ただし、遺産分割が確定しないと、この特例が適
           用できず、通常の課税となり、納税に困ることにないます。」

 

   お母様    「私は、2分の1も遺産をもらうつもりはありません。それで、子たちが納得して遺産分割が
          確定でき、私も相続税を払う必要がなければいいなと考えています。その際に、できれば私
          の法定相続分である2分の1に満たない分を昌史に渡したいのですが。」

 

   まごころ   「今回、それでは妹さんたちが納得しないでしょうから、お母様が2分の1を相続されること
   税理士   をお勧めします。今後、お母様が遺言書を書くなどすることにより、お母様の相続の時に、お
           父様から引き継がれた財産を昌史さんに多く残すことができます。」

 

   昌 史    「なるほどね。母さん、今回は法律どおり、しっかりと遺産の2分の1をもらってください。そし
          て、次の対策を一緒に考えましょうよ。」

 

小規模宅地等の特例の適用を検討する

 

   まごころ   「次に、小規模宅地等の課税価格の計算の特例です。これは、亡くなったお父様が相続発
   税理士   生まで居住されていた宅地等を、お母様又は同居されていた昌史さんが相続され、居住を
          継続されれば、特定居住用宅地等として330㎡(約100坪)まで相続税評価額が80%減額
          されるというものです。ただし、この特例も適用を希望する宅地等について、申告期限までに
          遺産分割が調わなかった場合には適用を受けられません。80%減額という大きな軽減なの
          で、この特例を適用する宅地だけでも期限までに遺産分割を確定したいものです。」

 

   お母様    「自宅は約150坪(500㎡)なので、私が50坪、昌史が100坪相続して、昌史が特例の適
           用を受け、相続税評価額が80%引きになるの良い分け方だと思います。後は昌史さん以外
           の子たちがな得してくれるかどうかですね。」

 

   まごころ   「お伺いした範囲では、宅地以外に居住用家屋と金融資産とで2億円ほどだと思います。
   税理士   宅地は9,000万円ほどの相続税評価額なので、その他の財産と合わせて遺産総額は3億円
          超ではないでしょうか。法定相続分を少し割るかもしれませんが、弟さんと妹さんが金融資産
          5,000万円ずつを、お母様が自宅用地50坪、家屋、金融資産9,000万円及びその他の財
          産
を、昌史さんが自宅用地100坪、金融資産1,000万円を相続する形で遺産分割協議を進
          め
るのが、税金計算上は有利と思われます。しかし、正確な相続税額の計算や遺産分けの違
          いによる相続税額の比較をしていないので、まだ検討の余地があると思います。」

 

   お母様   「父さんは自宅を全部昌史へ、金融資産を私が2分の1(約1億円)、残りを兄弟3人で3等分
         (3300万円)するように、と言っていたのですが、それでは、あの二人を納得させるのは難しい
         でしょうね。でも、先生の案なら文句を言われないのではないかしら。」

 

   昌 史   「妹たちにはいろいろ言いたいこともあるけれど、相続税のことを考えると申告期限までに遺産
         分割を終え、特例を活用して相続税の負担を軽くするほうが良さそうだね。先生、遺産分割協議
         が上手くいくように、妹たちにも相続税の説明をしていただけませんか?」遺産分割のお手伝い
         を頼まれたひとみは、この案なら法律上も極端に不公平でなく、相続税法上も有利なので、理解
         してもらえるよう精一杯努力しようと快諾し、吉川さん親子はすっかり安心してにこやかに帰って
         行ったのだった。

 

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