不動産管理会社の上手な活用法 その2
  ~ 「支配すれども所有せず」の形態とは? ~



 収入分散効果の高い「不動産所有方式」によって不動産管理会社を活用すれば、毎年の所得税や将来
の相続税の負担軽減に大いに役立つと思われます。
 そこで今回は、不動産管理会社の活用にあたり、留意すべき点などについて見ていくことにしましょう。

 1 賃貸建物だけを贈与する

    ~贈与後のその敷地の相続税評価額はどうなるの?

 賃貸建物の贈与(例えば、父から子へ)が行われた後は、父の土地の上に子の賃貸建物が建っているこ
とになりますが、通常は親子間ですから使用貸借で地代の支払いをしないことになるかと思われます。ポイ
ントは、この場合においても、贈与後に賃借人に異動がなければ、その敷地は「貸家建付地」として評価さ
れるということです。
 しかし、注意しなければならないのは、貸家建付地と評価されるのは賃借人について異動がない場合に限
られている点です。これは贈与前後において実態が変わらないこと等に配慮して使用貸借通達(昭和48年
直資2-189)にその旨の取扱いが明記されています。
 この取扱いは、建物等の贈与時における建物等の賃貸借が、課税時期まで継続して締結されている場合
に限られます。 そこで、贈与する前に不動産管理会社に一括して賃貸(転貸方式)しておけば、贈与後に賃
借人の異動が生じません。
 転貸方式であれば、転貸借人が異動するだけで、賃借人は異動しないことになるので、その敷地の評価は
「貸家建付地」を維持できることになります。
 なお、使用貸借であっても貸家建付地として評価することができますが、生計を一にする親族間の貸借を除
き、小規模宅地等の特例においては、貸付事業用宅地等として特例の適用を受けることはできません。
 貸付事業用宅地とは、相続開始直前において被相続人等の貸付事業の用に供されていることが要件の一
つで、貸付事業の用に供さていることとは、継続して相当の対価を収受していることが必要です。
 そのため、使用貸借となっている土地は、事業の用に供されていないので、貸付事業用宅地等として小規模
宅地等の特例の適用要件を満たさないことから、その特例の適用を受けることができません。

 2 賃貸不動産を不動産管理会社で所有する

    ~「支配すれども所有せず」の実現

 相続税の負担軽減では、支配すれども所有せずの形態が最も望ましいと考えられますが、贈与ではこれを実
現することはできません。
 そこで、賃貸不動産を不動産管理会社で所有し、親が子や孫へ株式を贈与する前に、種類株式の活用や属人
的定めによって支配権を維持できるようにしておくことがポイントになります。その場合、次のような3つの方法が
考えられます。

 1 拒否権付種類株式を親が保有する。
      拒否権付種類株式: 株主総会や取締役会の全ての事項に拒否権を与えることや、一部の決議事項
     (例えば、合併決議など会社編成にかかわる事項)についてだけ拒否権を与えることが可能な種類株式

 2 議決権制限株式(例えば、無議決権株式)に組換えて、子へ、その株式の贈与等を行い、親は議決権のな
  い株式(普通株式)を保有する。

 3 属人的株式に関する規定を定款に設け、親が所有する株式にだけ相当数の議決権を有するようにしておく。
  例えば、父及び母が所有する株式について、一株当たり100個の議決権を有するなど。

 以上のような点に留意し、不動産管理会社を上手に活用してください。

 

■種類株式と属人的株式の相違点

        対象となる会社     設定内容 定款 登記      権利の帰属
  種類
  株式
公開会社でも発行可能な種類株式
がある
株式の権利内容に
差異を設定
記載
必要 株式に帰属
(株式が異動すれば権利も
異動する)
 属人的
  株式
非公開会社(全ての株式について
譲渡制限のある会社)だけが規定
することができる
特定の株主について
属人的な取り扱いを
設定
記載
不要 人に帰属
(株式が異動しても権利は
異動しない)


設例

父が100%(発行済株式数100株)所有する会社の株式を、属人的定めによって、「父及び母が所有する株式
について、一株当たり100個の議決権を有する」ものとしたうえで、母一株、長男へ98株を生前贈与する。

株主      所 有 株 式 数                議 決 権 数
   贈与前    贈与後     贈与前    贈与後       父死亡後
   (長男が株式を相続)
   100株      1株    10,000個    100個           _
    _      1株       _    100個         100個
長男     _     98株       _     98個          99個
合計    100株    100株    10,000個    298個         199個

所有株式の大半は、長男へ贈与によって移転しているが、議決権は父及び母で過半数を有することになるので、
長男に対する牽制になる。

 

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